TA(Transactional Analysis)とは?

Being in the Flow

(1)TAとは

 TAとは正式にはTransactional Analysis(トランザクショナル アナリシス)と呼ばれ、日本語に訳すると『交流分析』と言われる臨床心理学の理論体系です。

 ジグムント・フロイト博士の精神分析理論を考え方のベースとして、エリック・バーン博士(1910~1970)が考案したものです。

        

        エリック・バーン博士(1910~1970) 

2)TA理論の提供するもの

TA理論はおおまかに下記の内容を提供するものです。

1)パーソナリティ理論

 人が心理的にどのような構造であるかを説明する理論

2)コミュニケーション理論

 人と人との関りかた、組織の中でのコミュニケーションなどの理論

3)児童の発達理論&精神病理学理論

 人が成長し、どのような人生を形作っていくのか等の理論

これらをTAという共通の枠組みで整理し、深く理解していくことがTA理論の真髄です。

3)具体的なTAの各理論

TAにおける各種の理論は下記のように分かれています。

1)自我状態分析

9つのパーソナリティ。その特徴とバランスについて

(通常のTAでは5つのパターンが多いですが、本講座ではそれをさらに細分化して9つのパーソナリティで分析、理解していきます)

自我の発達という形で自分の中に作られた親や社会に適応するためのプログラムを9つの自我の分析で紐解いていきます。

自分の性格というプログラムの全体像をつかむことで、その「良い部分」はそのまま使い、「苦しみや軋轢を生んでしまう部分」を客観視して手放すことが容易になるでしょう。

2)やりとり分析

9つのパーソナリティがコミュニケーションにおいてどのように働いているか?

9つの自我がコミュニケーションにおいてどのように作動しているかを知ることで、スムースな会話を続けるコツをつかむことが出来ます。

また、スムースでない会話のロジックが分かることで改善が見えてきます。

3)ストロークとディスカウント理論

対人関係のエネルギーの種類とその影響について。

心地よいかかわり、心の栄養となるかかわり方と、その逆の心を傷つけてしまうかかわりについて学びます。

また、対人関係だけでなく、自分自身をどのように扱っているのかは「自己肯定感」に直結します。

自分に対しての「かかわり方」を知ることで、ネガティブな自己概念を手放すことが可能になります。

4)心理的ゲーム理論

繰り返されるネガティブなコミュニケーションのパターンについて。

「ことがら」は違うのに、どうしてあの人といつも同じパターンになって、最後は嫌な気持ちになるんだろう?

TAではそれを「心理的ゲーム」と呼びます。

ここでは自分が陥りやすいゲームのパターンを理解することで、ゲームをしない、ゲームに巻き込まれないようにするにはどうすればいいのかを学びます。

5)人生脚本理論

無意識のうちに書いてしまっている「人生のシナリオ」について。

子どものころに周囲の関り(主に親)で無意識のうちに書いてしまった「プログラム」を探ります。

親からのネガティブな「禁止」で書かれてしまった「禁止令」や、親や社会に承認されるために作り上げた「拮抗禁止令」を学ぶことで、自分がどのようなプログラムを持ち、何に駆り立てられているのかが理解できるようになります。

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